みどころHIGH LIGHT



1974年、西安郊外の秦始皇帝陵墓付近で歴史的な発見がありました。そこには、一体一体違う顔をした等身大の人間の像が、おびただしく埋められていたのです。本展では、この世界的に有名な始皇帝の遺物をはじめ、戦国、漢時代を含めた総計36体の兵馬俑が一堂に会します。日中国交正常化50周年だからこそ実現した、破格のスケールの展示をお楽しみください。

《戦服将軍俑》統一秦 秦始皇帝陵博物院 *一級文物 ※日本初公開

現在に至る中国の礎を確立した、秦・漢両王朝の中心地域・関中(現在の陝西省)。今回は中国の陝西省文物局の全面的な協力のもと、同地の出土品を中心とする約200点(兵馬俑36点含む)を展覧します。一級文物(国宝級を指す中国国内の区分)から、最新の発掘調査による出土品まで、日本初公開を多数含む貴重な文物をお見逃しなく。
《中滋青銅鼎》春秋秦 永寿県博物館 *一級文物

《鎏金青銅馬》前漢 茂陵博物館 *一級文物

紀元前770年の周王朝の遷都から、220年の漢王朝の崩壊まで、およそ1,000年に渡る時代の歴史資料を紹介。群雄割拠の春秋戦国時代、わずか十数年の間に絶大な国力を示した秦時代、そして古代中国の黄金時代の1つを築いた漢時代・・・
近年では漫画や映画などのエンタメ作品でも盛んに取り上げられ、大きな注目を集める古代中国史。その重厚なドラマが、貴重な文物の数々から蘇ります。
《2号銅車馬》【展示は複製品】統一秦 秦始皇帝陵博物院 *一級文物


《騎馬俑》戦国秦 咸陽市文物考古研究所 *一級文物
《秦簡》統一秦 里耶秦簡博物館 ※日本初公開
監修者のメッセージ
本展監修者鶴間和幸(学習院大学名誉教授)
二千年以上前の古代中国で、なぜ兵馬俑が作られ、地下に埋蔵されたのか。本展では、その謎解きに挑戦しました。地下から出土した文物は、こちらが問いかければ貴重な情報を語ってくれます。本展の準備中も、思わず嬉しくなるような新しい発見が沢山ありました。
私が古代中国の面白さに惹かれて中国史を学び始めたのは、ちょうど50年前の日中国交正常化のころでした。まだ、始皇帝陵の兵馬俑が発見される2年も前のことです。
各地での発掘調査は現在でも続いており、昨年12月にも中国考古学の常識をくつがえす重大発表がありました。まさに、地下からはいつ何が出土するかわかりません。そのわくわく感も、会場でお伝えしていきます。
古代の人々の歴史の遺産は、今を生きる知恵と力にもなることを改めて感じています。